システムキッチンの選定って、コンロやレンジフードからカラーセレクトまで、本当に選ぶことが多いですよね。
とくに全体の印象を決めるのが「キッチン扉」。カラーはもちろんの事、扉の表面がツヤのある「鏡面扉」かツヤの無い「マットな扉」で印象が変わります。

ツヤツヤの扉は安っぽく見えそう。でもツヤ無しは汚れが付きやすそうで心配よ。

ツヤのある鏡面扉がスタイリッシュで好みヨ。でも手アカが目立ってしまいそうで心配なの。
この記事ではこんな風に「キッチン扉を鏡面かマットタイプか?」かで悩む方のために、その選び方を徹底解析。
かりてりあです。水廻りショールームでの4年間の案内経験を元に、お客様からよく相談されたキッチンの扉の選び方をお伝えします。後半には「キッチン扉をグレードで選ぶ方法」もご提案。ぜひ最後まで読んで、あなたにぴったりのキッチン扉を見つけてくださいね。
主婦インテリアコーディメーター


キッチン扉を選ぶとき、カラーの他にも意外と悩ましいのが「鏡面とマット、どっちが良いの!?」という問題。「鏡面とマット」とは、扉表面の仕様の違いのことです。
それぞれの違いを色々な視点から解説します。
鏡面とマット・表面仕上げの違い
| 扉の表面仕様 | 見た目 | 手触り |
|---|---|---|
| 鏡面 | ツヤツヤして光を反射する | ツルツルしている |
| マット | 光の反射が少ない | サラッとした手触り |
扉の表面仕様は大きく分けて、手触りがツルツルで見た目がツヤツヤした「鏡面扉」と、サラッとした手触りでツヤ消しの「マット扉」の2種類があります。
鏡面とマット・特徴と気になる点
まず、鏡面扉とマット扉にはこんな見た目の印象の違いがあります。それぞれの特徴を紹介します。
| 扉の表面仕様 | 特徴 | 気になる点 |
|---|---|---|
| 鏡面扉 | 明るく清潔感がある スタイリッシュである 汚れが落としやすい | 手アカが目立つ(特に濃い色) 安っぽく見えるかも |
| マット扉 | 落ち着いた印象 インテリアになじみやすい質感 手アカが目立ちにくい | 汚れが付きやすそう 拭けたか拭けてないかわかりにくい |
鏡面扉は光を反射するため清潔感がある反面、手アカが目立つ問題が。
マット扉はインテリアにもなじみやすい落ち着き感がある一方で、お手入れしにくい問題があるわけです。
そんな理由で、どちらにしようか迷ってしまうわけですね。
鏡面とマットのこんな点に後悔した!という「後悔の声」をさぐってみました。
鏡面(ツヤツヤ)仕上げは手アカで後悔
鏡面仕上げにして後悔した中には「手アカが目立ってしまう」という声がありました。
特に紺色やダークブラウンなど濃い色にしてしまうと、手アカが目立ちすぎてストレスになってしまうようです。
扉の鏡面仕上げは特に濃い色にすると、手アカが目立って後悔する
マット(ツヤ消し)仕上げは汚れやすくて後悔
つや消しで仕上げたマットな扉は落ち着いた印象の反面、お手入れがしにくいデメリットがあります。
実際、木目模様の扉にしてしまい、汚れが拭き取りにくく後悔している声もあります。
扉のマット仕上げは鏡面に比べると拭き取りがしにくい

鏡面扉とマット扉には、どちらも良い点と悪い点があり、何を基準に決めたら良いかますますわからなくなってしまいますね。
そこで「鏡面とマット扉」の選び方を2通り、筆者からご提案します。
- インテリアの印象で選ぶ
- お手入れのしやすさで選ぶ
表面仕上げでどちらか迷った時は、この2通りの方法で選ぶことをおすすめします。
インテリアの印象で決めよう
鏡面の特徴には明るく清潔感があります。キッチンに清潔感は欠かせませんよね。
しかし木目感を出した扉や、マット塗装のほっこり感も捨てがたいと思います。
- 鏡面扉:明るく清潔感がある・スタイリッシュ・モダン
- マット扉:落ち着きがある・ほっこり感・ナチュラル・レトロ
リビングやダイニングと隣接しているオープンキッチンの場合、隣接する部屋のインテリアに合わせるのがおすすめです。
家事の中ではいちばん長くいることが多いキッチンなので、お部屋の印象を壊さずに自分が気持ちよく使える扉材を選択しましょう。
しかしショールームに訪れるお客様の中には「マット仕上げはお掃除が大変では?鏡面の方がラクなのでは?」という質問もよくありました。

そうなると、お手入れの手間の違いも大事ですよね。
お手入れのしやすさで選ぼう
鏡面の方がツルンとしているので拭きやすく、汚れが落としやすい印象が。マットのほうは拭きにくく、汚れが落としにくい印象があります。
- 鏡面扉:拭きやすい。拭いた後落ちたかどうか確認しやすい。
- マット扉:汚れが目立ちにくい。拭いた後落ちたかどうか確認しにくい。
マメにお手入れしたい方は鏡面扉を、たまにちゃんとお手入れしたい方はマット扉を選ぶと良いでしょう。
シート材なら最後は好みで選ぶ
実は扉の表面材はどちらも「シート材」で仕上げているものが多く、「木」そのものに塗装している扉は全体的には少な目。
「集成材や合板」でつくられた「基材」の表面に「樹脂を含浸させたシート」などでシート加工を施してあるのです。表面のシートが鏡面タイプとマットタイプとあるだけの違いだったりします。
※高圧メラミン~鏡面~

※高圧メラミン~マット~

シート材仕上げだけの違いなので、中性洗剤を薄めた液でどちらも水拭き可能です。
シート材仕上げとは;扉の表面仕上げ。オレフィンシートや高圧メラミン仕上げがある。
お手入れ方法は基本的にはどちらも変わらないので、シート材の扉で迷った場合は、「好みで選ぶ」でもOKです。
高級塗装扉は正直好みで
扉材の中にはシート材仕上げではなく、直接塗装してる高級な扉もあります。
塗装の仕方でも鏡面仕上げと素材感を残した素地仕上げとあります。
シート材を貼っていないので高級感があります。鏡面塗装仕上げはツルンとしているので拭きやすいですが、素地を生かして木目を出している方は少しお手入れに気を使います。
高級な直接塗装扉の場合、鏡面塗装に軍配が上がりそうですが、高級塗装のものはしっかりしているのでお手入れもラク。こうなると正直お好みで選んでください。
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筆者が実際に鏡面扉を使ってみた体験談をお話しますね。
鏡面扉はやっぱり汚れが気になる!
★MY キッチン小話
現在我が家で使用しているキッチン扉は鏡面タイプです。
明るいグレー色に細かく幾何学模様が入っているために、そこまで手アカは気になりません。
ただ「光が反射した際に汚れが目立つ」ので、結構マメに拭くことになります。
鏡面扉は汚れが目立つのでマメにお手入れできる、という利点があります。
鏡面扉は汚れが目立つので、マメにお手入れできる!
マット扉は汚れに気が付かない!
★MY キッチン小話
以前マンションで使用していたキッチン扉は、框付きのクラシックな塗装扉でした。(シート材ではない)
木目を生かしたマット塗装で濃いブラウン色だったのもあり、汚れが目立ちにくかったのです。
実際汚れていることに全く気付かず、大掃除の際に拭くと結構汚れていたので毎回びっくりしていました。(笑)
子育て中で忙しかったのもあるのですが、マットタイプは汚れが目立ちにくくお手入れをサボりがちになるという特徴があります。
マット扉は汚れが目立ちにくく、お手入れをサボりがちになる!

色の濃さにもよりますが、鏡面の方がお手入れがマメになり、マットの方が目立たずたまのお手入れになりそうですね。
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最後に、表面仕上げだけではなく扉のグレードで選ぶ方法を紹介します。

キッチン扉をにはいくつかグレードがあります。
扉のグレードには、先ほど紹介した表面の仕上げの違いや取っ手の加工方法などで、グレードの違いがあり、値段に違いがあります。
キッチン扉の価格は大事ですが、扉の価格と扉の持ち具合は深いつながりがあるので、最後に紹介します。
扉のモチはグレードで違う
扉材には何段階かグレードがあります。安いからと言って金額だけで決めてしまっては後で後悔します。
正直、「金額=グレード=もち具合」です。
こんな声が聞こえてきました。

長年使用していたキッチンの扉の表面がめくれてきたのよ・・・まだキッチンは使えるけど、取り替えたくなってます。

これ、結構あるあるなんですよね…。ショウルームでもたまにご相談されました。
ただしグレードが高ければ良いというわけではありません。
選ぶ際のポイントがあります。
扉表面がシート材の選び方
キッチンの扉表面の仕上げがシート材なら、選び方のポイントは表面材のシートの巻き込み。
側面と表面の境に切れ目が生じてるものは要注意です!!
このシート材に切れ目があると、そこに汚れが入り込んだりハガレてきたりします。
ここをチェック!:扉材の側面と表面の境を良く確認すること。
キッチン扉が全体のグレードの中グレード以上だと、このシート材が側面まで巻き込んである場合が多く、それ以下のグレードは側面と表面に切れ目があることが多いです。
この違いが実は結構大きいです。
【実例】シートの巻き込み、あるかないかの違い
★MY キッチン小話
我が家のキッチン扉は、シート材がキチンと側面まで巻き込んでありました。
15年間使用していますが、扉材がめくれてくることも今までありませんでした。
結構厚みもあるしっかりた扉だったのもあり、現在も問題なく使えています。
やはりこのシートの巻き込みは大事と思いました。

つぎの「ショウルーム小話」はショウルームで実際に相談された例です。「扉交換」に興味のある方は読んでみてくださいね!
ショウルームでお客様から 「長年使用していた扉材の表面がめくれてきた。」という相談をされたことがあります。
「他は問題無く使えてるけど、それが気になるので扉だけ替えられないか?」というお話でした。
回答は「現在もシリーズが残っていて、扉だけ交換してくれる工務店を探し当てられれば可能な場合もある」
でした。
一般的にはキッチン扉だけの交換は嫌がられてしまう様です。
「まだキッチンが使えるのに!?」て思いますよね。
なので!扉は長持ちの方がキッチンも長く使えるのです。
キッチン扉は中グレード以上のものを選ぼう!
扉のグレードによって、主にこんな特徴があります。
- 中~高いグレードの扉:シートの巻き込みがありはがれにくい・厚みがある・高級感がある
- 低グレードの扉:扉が薄い・シートの巻き込みが無く(表面と側面に切れ目がある)ハガレやすい
「いやいや、シートの巻き込みとか厚みとか扉に求めて無いし。安い方がいいわ。」という声が聞こえてきそうですね。
キッチン扉のもち具合はグレードが高ければ高い方ほど良い、というわけでは無いのですが、明らかに高グレードのものはもちが良いのも確か。
特にシート材仕上げの扉で側面まで巻き込みがあるものは、中グレード以上のものが多いのです。
表面と側面のシートに分かれ目があると、切れ目にヨゴレが入ってしまったり、ハガレてきたりすることがあります。扉のもち具合はグレードと結構関係が深いんですね。
キッチンを長く使いたい人は中グレード以上の扉を選ぼう。

値段の安さだけで選ぶと後悔するかもしれません。
番外編;高グレードの扉の特徴とその違い
【高グレード扉の特徴】
- 扉の厚みがある
- シート材ではなく直接塗装してある
- 彫り込み取っ手や框(かまち)付きなどデザイン性が高い
こんな扉の違いでキッチン扉はグレードが分かれています。


グレードが高い方がもちろん丈夫ですが、デザインや塗装は正直好み。特にデザインでもち具合が変わることはありませんので、ご安心ください。
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キッチンのスキマもフル活用!こんなスキマ収納欲しかった。
おまけ:キッチンパネルの選び方
最期にキッチンパネルのお話もしておきます。
昭和のころのキッチン壁はタイルが主流でしたが、お手入れが大変でした。最近はキッチンパネルが主流ですね。
ツルツルした表面材は拭きやすく、とてもお手入れがラクです。
中にはこんな機能性のあるキッチンパネルもあります。
タカラスタンダードのホーローパネル
磁石が付くので色々な小物収納が取り付け可能

普通の化粧パネルよりも少々高額にはなりますが、ホーローパネルは磁石を利用して色々な収納小物が付けられる壁になります。
ゴチャつきがちなキッチン雑貨が壁に収納出来るのは、やはり便利と思います。
ホーローパネルにはマグネット収納グッズを
ホーローなら普段使いのキッチンツール用フックを壁に取り付け可能です。使いたい時にサッと使えて便利ですね。
※いちいち引っかけるのが面倒な方は、サッと取り出せる立てる収納のマグネットタイプがおススメです。
※普段使いのスパイスは手の届く場所に置いておきたいですよね?置き場所に困るキッチンペーパーや鍋つかみも一緒に収納出来るので、使いたい時にサッと使えていうことなしです。
またパナソニックのキッチンパネルにも収納可能なキッチンパネルがあります。
パナソニックのキッチンパネル(5mm厚を選定した場合)
レールオプションをつけると小物収納が取り付け可能

パナソニックのキッチンパネルの厚みは3mmタイプと6mmmタイプとあり、中でも厚みのある6mmの方にだけレール加工が出来るのです。
そのレールにいろいろな小物収納を引っかけて、キッチングッズを収納できます。
ただ、レールの溝もできてしまうのでお掃除大変かもしれませんね。
タカラのホーローパネルも、パナソニックのレール付きパネルもどちらも小物収納が付けられるのが特徴です。
かりてりあ
家電をひとまとめ!シックな色合いの食器棚。組み立て不要でラクラク設置。カラー:ダークブラウン 幅サイズ:120・180
家電をひとまとめ!アイアン×木目でおしゃれに演出♪ カラー:チェリー/ライト/ホワイト 幅サイズ:120
対面キッチン風にもなる下台キャビネット。ダイニングキッチンの間仕切りにも最適です。
キッチン扉の選び方をまとめます!
キッチン扉で「鏡面かマットか」悩んでしまった時には、以下の2通りの方法で選ぶのをおすすめします。
- インテリアの印象で選ぶ
- お手入れのしやすさで選ぶ
インテリアの印象とお手入れしやすさのそれぞれの違いを表にまとめました。
| 表面仕上げ | インテリア印象の違い | お手入れのしやすさ |
|---|---|---|
| 鏡面 | 明るく清潔感がある・スタイリッシュ・モダン | 拭きやすいが手アカが目立つ・マメにお手入れしたい人向け |
| マット | 落ち着きがある・ほっこり感・ナチュラル・レトロ | 汚れが目立たない・お手入れはたまにしたい人向け |
シート仕上げなら、どちらも水拭きは可能なので最後はお好みになります。
どちらにも共通して気を付けて欲しいことは、扉のグレードを重視する事。
- シート扉:側面まで巻き込みがあるものを選ぼう
- 高級塗装扉:正直好み
最終的には扉のもちにもつながってくるので、中以上のグレードがおすすめ。扉の表面がシート材なら側面まで巻き込んであるものを選びましょう。

これらの選び方を参考に、ぜひあなたのキッチンにぴったりな扉を見つけてくださいね!
キッチン全体のカラーって、どうやって決めたらよいかしら?残念な結果にならないように決めたい!という方はぜひこちらの記事を参考にしてください⇩
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