毎朝出るコーヒーかす。これを再利用しない手はありません。
ガーデニング好きの方、朗報です!何といつも捨ててしまっているコーヒーかすで肥料づくりが出来るのです。
かりてりあです。この記事ではコーヒーかすを使ったぼかし肥料の作り方を紹介します。自分で作る肥料は、愛着もひとしおですよ。
主婦インテリアコーディネーター
コーヒーかすはそのまま土に撒いて良い土になることを期待することもできますが、発酵させてぼかし肥料にすることですぐに効果的に利用できます。
コーヒーかすの成分がもたらす植物への効果とは
コーヒーかすは窒素、リン、カリウムといった重要な栄養素を含んでおり、それらは植物の成長に欠かせない要素です。
窒素は葉の成長を促進し、リンは根の発育を助け、カリウムは花や果実の生産をサポートします。
多孔質のコーヒーかすは土に混ぜることで、土壌の通気性と水はけを良くする効果もあります。さらに土中の微生物が炭素をエネルギー源、窒素をたんぱく源にして増殖し、カルシウム、マグネシウム、カリウムを含んだ良い土に改良してくれます。
栄養分もあり、土壌改良効果もありで、植物にとってとても良さそうですね。
コーヒーかすを直接土に撒くのはNG?
コーヒーかすに含まれるポリフェノールやカフェインは植物の育成を阻害するため、発芽や生育させたい苗のある花壇に直接撒くのは実はNG。(雑草を防止したい場所にはどんどん撒いてOKです。)
さらに撥水性のあるコーヒーかすはそのまま土の上に撒いてしまうと通気性が悪くカビてしまうため、いったん乾燥させたコーヒーかすを土に混ぜ込む必要があります。撒いてから2~3年後には良い土になるので、長い目で育てる土づくりに向いてます。
とはいえ植物にとって良い効果をもたらすコーヒーかす。すぐに使うためには、コーヒーかすを一旦発酵させて使いやすくする必要があります。
そこで!コーヒーかすを発酵させて作るぼかし肥料がおすすめです。
ぼかし肥料とは?
ぼかし肥料とは、牛糞、油かす、鶏糞、などの有機肥料を微生物の働きを利用して発酵させ、栄養価を高めた有機肥料です。発酵することで、植物にとってより利用しやすい栄養素が豊富な肥料となります。
肥料との違いは長くゆっくり効くところ。肥料やけの心配も無く、元肥などにも適しています。土壌改良も期待できるので、植物が元気になり病害虫に対して強く育てることができるんですよ。
ガーデニングや家庭菜園を楽しむ上で、ぼかし肥料はとても強い味方となりそうですね。
ここからはコーヒーかすを使ったぼかし肥料の作り方を解説します。
コーヒーかすのぼかし肥料作りには、いろいろな作り方がありますが、基本的な作り方をまとめてみました。
必要な材料と道具
まず初めにコーヒーかすの基本的な材料や道具を紹介します。
主な材料としては、コーヒーかす、米ぬか、腐葉土、そして水です。
- コーヒーかす(乾燥させてためておく)
- 米ぬか(またはおから、油かすなど)
- 腐葉土(またはピートモス)
比率は、コーヒーかす1:米ぬか1:腐葉土3
比率は全て同量(1:1:1)という方法もあり、筆者は初めは同量で作りましたが、あとから腐葉土を足し、1:1:3にしました。この比率の良いところは、コーヒーかすの追加ができる点。あとから乾燥させないままコーヒーかすを足していけるので、より多く作れます。(詳細は後ほど・・・。)
これを全て混ぜます。これだけでも十分発酵するようですが、発酵を促進させる素材がいろいろありそうなので、後述します。
道具としては、大きなバケツや容器、混ぜるためのスコップやスプーンなどを用意します。バケツのフタは虫よけに、通気性のある古布などを活用します。
- バケツ(または通気性のある容器、段ボール箱等)
- スコップ
- 古布(バケツや段ボールをおおうフタとして)
バケツの他にも、段ボールを使う方法もあります。下に新聞紙などを敷いて、すき間から虫が入らないようにガムテープを貼っておくと良いですよ。
通気性のある米袋や洗濯ネット、不織布のケースなどを使えばフタは必要ありません。これらの容器の良いところは、かき混ぜるのがカンタンなところ。
米袋は持って振れば良いですし、洗濯ネットや不織布のケースはひっくり返せばかき混ぜ完了です。
不織布のファスナー付きケースは百均などでも簡単に手に入りますよ。
ケースに材料を入れて混ぜる
コーヒーかす、米ぬか、腐葉土をバケツ(または洗濯ネット、不織布ケース)に入れて、水を少し入れて湿らせたらよく混ぜ合わせて準備完了です。
虫が入らないように通気性のある布でフタをして、直射日光を避けた涼しい場所で保管しましょう。空気を入れるためにスコップで毎日ひっくり返します。
1ケ月~3ケ月混ぜ続ける
あとはこれを1ケ月~3ケ月続けるだけ。発酵が進めば、簡単にぼかし肥料が完成しますよ。
夏場は約1ケ月くらいで、冬場だと2~3ケ月くらいで発酵が落ち着くそうです。
バケツや段ボールは混ぜるの面倒と思い、筆者は不織布ケースを使用。このあたりは自分が使いやすいもので良いと思います。
材料も米ぬかが無い方は、おからや油かすなど自分が手に入りやすいもので。材料の比率のパターンもいくつかありました。
ここからは実際に筆者が作ってみた体験談を、1回目の失敗も含めてレポします。
初めの一歩はコーヒーかすをためるところから。
コーヒーかすはある程度の量が必要なので乾燥させて毎日溜めていきます。乾燥方法を紹介します。
- 天日干しをする
- フライパンで煎る
- オーブンやトースターでカラッとさせる
- コンロのグリル吹き出し口でステンレス容器に広げる
- 平た目の容器に入れて冷蔵庫に入れておく
乾燥させる理由は、ただ単にボールなどにかすを溜めていくと、すぐに青カビが生えてしまうからです。
グリルの吹き出し口へ置く方法は、料理中にひっくり返してしまう危険が伴うためご注意ください。
コーヒーかすがある程度貯まってきたら、いよいよぼかし作り。コーヒーかす、米ぬか、腐葉土の3つの材料を混ぜ合わせます。1Lくらい溜まるといい感じに作れるそう。筆者は待ちきれずに800mlくらいで見切り発車しました(笑)。
実は初めは1:1:1の比率で混ぜてのスタート。
筆者は不織布で出来たケース(ニトリの羽毛布団が入っていたケース)を使用したので、空気を入れるために毎日ひっくり返してかき混ぜます。
不織布のケースを使用すると、スコップは使わずひっくり返すだけでOKですよ。(ただし乾燥に注意です)
とここまでは良かったのですが・・・約1か月経つ頃にのぞいてみたところ・・・何も起こっていませんでした。原因は恐らく水分不足。でうまく発酵出来てませんでした。
ここで再度仕切り直しです。腐葉土の比率が多い方法に方向転換。腐葉土を足し、大体1:1:3くらいに調整しました。
その後、毎日出るコーヒーかすを水分補給も兼ねて乾燥させずに投入!腐葉土の多い比率ですと、後からコーヒーかすの増量ができるのでおすすめです。使ったコーヒーかすはちょうど良い湿り気具合です。
コーヒーかすや紅茶かすも投入!紅茶の茶ガラも既に発酵しているものなので、とても良い発酵環境が出来るようです。
しかしまだまだ乾燥しているため、上手く発酵が始まりません。軒下に置いてたとはいえ、南向きのベランダで夏場の直射日光が降り注ぐ場所だったので、かなり乾きやすい状態だったようです。
乾燥した状態では微生物がうまく活動できないため、発酵が進みません。ここで水分を追加するため、ヨーグルト容器を洗った水を投入!ケース全体をひっくり返して混ぜていきます。
ちょっと多すぎたかな?と思いましたが、混ぜてしまうとちょうど湿った状態でいい感じでした。
更に納豆水(納豆を2~3粒入れて混ぜた水)も投入!何だかいい感じに湿り気が出てきました。今度こそ上手くいきそうな予感です。
糖分も良い栄養になります。出来れば黒糖やハチミツの様な自然なものがおすすめ。
筆者は冷蔵庫のスミで賞味期限切れとなっていた甘酒を発見!
この甘みと麹菌を入れない手は無い!ということでコーヒーかすと一緒に少量を投入!
これはかなり微生物君たちが喜んでいる気がします。
中身がだいぶほっこりしてきました。麴などの菌類は入れなくても発酵するのですが、私は早く発酵させたかったので待ちきれずに投入してみました。
お茶や紅茶の茶ガラ・ヨーグルト液・納豆液・麴菌(コウジキン)・黒糖(上白糖より良さげ)・ハチミツなど
菌が入っていそうなものはとにかく微生物の大好物。米ぬかだけで充分ですが、色々入れると発酵が爆速で進みます。
ぼかし肥料作りを成功させるためのポイントは3つ。
発酵を成功させるための3つのポイント
水・空気・日陰での保管
ぼかし肥料作りは発酵が決め手なので水分は超重要。しかし多すぎても微生物が死んでしまうため、雨の当たらない場所で保管します。
直射日光も微生物が死滅します。高温になるのは発酵に良いのである程度の日光や温度は必要です。でも真夏の直射日光は苦手です。
そしてときどきかき混ぜて空気を入れ、水分が多いと思ったら腐葉土を足し、乾燥しすぎのときは水分を足して様子をみましょう。
- 直射日光が当たらず雨が吹き込まない場所に置く
- 適度な湿り気を保つ
- 毎日かき混ぜる(空気を入れる)ようにする
材料の比率は同量くらいまで大体でOK。初めに腐葉土を多めにしておくと、コーヒーかすが後から足せるのでおすすめです。
発酵の期間と目安
発酵期間は夏場は1か月、そのほかの期間は2~3カ月が目安です。発酵が進むと香りや見た目で分かるようになります。
甘酸っぱい香りがしたら完成です。
カビが生えることも
白いカビが出ることがありますが、これは発酵が順調に進んでいる証拠。そのまま混ぜ込んでしまってOKです。(青いカビが生えてしまったら残念ですが失敗です。)
失敗から学んだことを解説しますね。
失敗から学んだ「水分・空気・日陰」が超重要だってこと
筆者は初めに、とある動画を参考にコーヒーかす1:米ぬか1:腐葉土1と、3つの材料を同量で混ぜるだけで作りました。
動画の中では水分は加えてなかった様子で、容器は乾燥しにくいバケツを使っていました。(おそらく乾燥させてないコーヒーかすを使用していたと思われます。)
しかし・・・数日たっても発酵している様子も無く、何も変化が起きませんでした。原因はおそらくこんなところ。
- 直射日光の当たるベランダに放置していた。⇨微生物死滅
- 通気性の良いケースと油断してあまりかき混ぜてなかった。⇨空気入ってなかった?
- コーヒーを乾燥させていたので全く水分量が無かった。⇨水分不足で発酵せず
軒下に置いていたとはいえ、南向きのベランダは直射日光が当たる場所。さらに通気性のあるケースときたら乾燥まっしぐら状態。完全に微生物お亡くなりコースでした💦
発酵させるには、適度な湿り気と直射日光を避けての保管と空気に触れさせることがとっても重要だったのですね。
(そういった意味ではバケツの方が乾燥せずに良いかもしれません。)
水分調整と空気と保管場所が発酵にはとても大切だと学びました。
発酵が終了して完熟したぼかし肥料はどんどん使用してかまいません。筆者はジッパー付きの不織布で作ったのでそのまま保管できて便利でしたよ。
ぼかし肥料の使い方
発酵が終了したら、土に1~2割程度混ぜ込んで使います。1週間くらい置いてから植物を植えるのがベストだそうです。
こうしておくと、次の植え替えのときにすぐに使えますね。
と多肉の土は少量なのでこの方法で良かったのですが。筆者は秋の植え替えの量がハンパなく、早く終わらせるために植え付け時にガンガン混ぜて使いました。
特に肥料やけをしている様子はないので、ぼかしってやっぱり使い勝手良いですね。
※余裕が無さ過ぎてぼかし投入の様子は撮影してません。
ぼかし肥料の保管方法
- シートに広げて乾かす
- 通気性の良い容器や袋で保管(紙袋・段ボール・空気穴をあけたビニール袋・培養土や肥料の入っていたビニール袋)
- 直射日光の当たらない場所で保管
通気性のある容器でぼかし肥料を作った場合はそのままでも良いのですが、そうでない場合は使わない分はシートなどに広げて軽く乾かしてから保管します。紙袋や段ボールなど通気性の良い容器に入れて保管しましょう。
米袋があれば利用しても良いですね。(段ボールは穴をガムテープで留めて、虫の侵入を防ぐと安心です)
もしもビニール袋などに保管する場合は、少しだけ空気穴を開けておいて呼吸を出来るようにするのがコツみたいですよ。
そこで!土や肥料の入っていた袋が大活躍。土や肥料の袋は、元々空気が通る仕様になっているらしく、素材もとても丈夫。捨てずにとっておくと手作り肥料の保存に最適だそうですよ。
今までビニール袋は全部捨ててしまってました。これからは取っておこうっと💦
筆者は不織布のケースをコンポスト作りにも使いたくなったので、秋の植え替えや植え付けで半分使用した後に、残りを紙袋に入れて保存しました。
ぼかし肥料はそのまま保管するとカビなどが心配なので、少し天日干ししてから保管すると安心ですよ。
ビニールシートにぼかし肥料をあけると、ぼこぼことところどころがかたまりになってました。色々投入した際にちゃんと混ざり切って無かったのかもしれません。
乾きやすいようにかたまりを崩していきます。ホロホロとすぐに崩れます。
2~3cmくらいの薄さに広げたら、30分から小1時間くらい天日で湿気を飛ばします。
通気性の無いビニール袋などで密閉保管してしまうと、呼吸が出来ないばかりか水滴が出てカビてしまうかも?ぼかし肥料の保管は、通気性の良い容器に入れましょう。
乾いたぼかし肥料を紙袋に入れて、念のため段ボール箱へ。ネットショッピングなどでちょうど良いサイズの段ボール箱がちょうどありました。
いったん段ボール箱のふたを閉じて、そのまま雨の当たらないデッキの軒下で保管してます。次の植え付けや植え替えに使う予定です。
または紙袋に入れたあと、不織布や布のバック(どこかでもらったペラペラのものでOK)にいれて、倉庫などに吊るしておくと邪魔になりませんよ。
コーヒーかすは、いつも生活の中で出てくるもの。普段は捨ててしまっているけど立派な資源。
とくにガーデニング好きな方にとっては、肥料が自宅で作れるってとってもうれしいですよね。コーヒーかすでの肥料造りはうれしいことがいっぱい。
- お花や野菜が元気になる
- お財布にやさしい
- ゴミが減って環境にもやさしい
肥料として活用することで、肥料を買うことが減り、ゴミも減って環境にもやさしいですね。手軽に始められるエコライフの一環として、ぜひコーヒーかすを再利用してみてください。
土もお花もお野菜も元気になるコーヒーかす肥料作りに、ぜひ挑戦してみてくださいね。