ビルトイン食洗機は、キッチンカウンターの中にスッキリと入る食器洗い乾燥機。国内メーカーでは、パナソニックとリンナイが人気です。
シェア率はパナソニックが6割、リンナイが3割、残りの1割がその他のメーカーとなっています。では、パナソニックとリンナイではどちらの食洗機が良いのでしょうか。
この記事では、価格面、コスト面、洗浄力や機能面、あらゆる方面から、両社を比較してみます。
どちらにしようか迷っている方は、ぜひ目を通して下さいね。
主婦インテリアコーディネーター

【この記事を書いた人】
水廻りのショールームでビルトイン食洗機を4年間ご案内。筆者も自宅でパナソニックの深型を15年間愛用。
【この記事を書いた理由】
パナソニックとリンナイをどちらにしようか迷っている方のためにあらゆる面から比較をしていきます。

食洗機を入れるメリットはたくさんあります。
- カウンターの上がすっきりする
- 光熱費が削減できる
- 手が荒れない
- 自分の時間が出来る
いいことづくめのビルトイン食洗機は、ワンオペ育児や働く主婦の強い味方。そんなビルトイン食洗機ですが、購入前に出てくる疑問点も。
- ビルトイン食洗機の寿命は何年?
- ビルトイン食洗機の工事費用はいくらくらい?
- ビルトイン食洗機は何年で元が取れる?

では早速見ていきましょう。
ビルトイン食洗機の寿命は約10年
使用頻度や使い方にもよりますが、ビルトイン食洗機の寿命は約10年と言われてます。10年経過後に点検の上、様子を見ながら使用する感じです。
我が家の食洗機は年経過後に、引き出しのしまりが悪くなり、エラーを起こすようになりました。修理依頼をしたところ、何とか閉まるようになり、すっかり15年くらい使用しています。
閉める時や開ける時に多少引っかかりはありますが、何とか使用できています。
ビルトイン食洗機の工事費用は5~18万と現状による
ビルトイン型の食洗機は、新規取り付け工事が5〜8万円、既存取り替え工事が1〜4万円くらい。工事費込みで販売されていることも多く、ミドルグレードの商品で合計約10~18万円くらいの費用相場です。
ただし既存の食洗機がすでに設置されている場合と収納から食洗器に交換する場合とでも、工事費用は異なります。収納から食洗器設置へのリフォームの場合は、元々電源があるか?元々給排水管が来ているか?など状態によっても工事費用は異なってきますので、場合によっては結構高くなります。
リフォーム屋さんでしっかり見積もりを取って検討しましょう。

ビルトイン食洗機の元が取れるのは5年~10年
ビルトイン食洗機は高温で洗うため、水道代が節約できます。たとえガス代や電気代が上がっても、かなり節約できるのです。そして例えば10万円のビルトイン食洗器を入れた場合は、元を取るのに約5年5ヶ月かかると言われています。
20万円なら約10年と考えると、ちょうど寿命のころには元が取れるという計算ですね。

リンナイとパナソニックの食洗機の特徴の違いを見てみましょう。
スタンダードタイプの機能はシンプルで、メーカーによる違いはそれほどありません。上段ラックの位置が、リンナイは横半分の奥、パナソニックはタテ半分にある点くらいです。


価格はリンナイの方がお安めです。
スタンダードタイプのメーカーの違いはそれほどない。リンナイが安め。
上位機種になると、それぞれのメーカーの特徴が出てきます。
リンナイとパナソニックのビルトイン食洗機機能比較
上段ラック | 除菌機能 | 省エネ性 | 価格 | 環境にやさしい | その他の機種 | |
---|---|---|---|---|---|---|
リンナイ (Rinnai) | ※フロントオープンタイプが人気 | |||||
パナソニック (Panasonic) | ※新機種には洗剤自動投入機能を搭載 |
ではリンナイとパナソニックのそれぞれの特徴を詳しく紹介しますね。
リンナイのビルトイン食洗機の特徴

- 重曹コースがある。
- 重曹コースにすることで光熱費が抑えられる。
- カビを抑えるプラズマクラスター除菌がある。
- 価格が抑え目。
- 上のラックが折りたためる。
重曹コース
リンナイの少し高い方の食洗機は上位機種にあるのが重曹コース付き。重曹を使うことでカンタンすすぎで光熱費が削減でき、排気蒸気も洗剤臭く無いので、人にも環境にもやさしい食洗機です。
価格はパナソニックの上位機種よりも抑え目なので、お財布にもやさしいですね。
プラズマクラスター除菌
さらにプラズマクラスター除菌で庫内のカビを抑制します。
プラズマクラスター除菌とは、シャープが開発した独自の技術で、プラズマ放電によって水素のプラスイオンと酸素のマイナスイオンを作り出し、空気中に放出することで、浮遊しているウイルスやカビ菌などの作用を抑える技術です。菌やウイルス表面の細胞膜のタンパク質を切断して除去し、嫌な臭いの元となる成分を分解・除去することで、除菌や消臭効果を発揮します。
上段ラック
上段ラックは奥へ折りたためるので、奥の食器の出し入れもラクラクです。
パナソニックのビルトイン食洗機の特徴

- エコナビ機能付きで省エネになる。
- 下の段はプロペラが2本で隅々まで洗浄。
- 3Dプラネットアームで上段の隅々まで洗浄。
- 庫内のカビを抑制するナノイーX搭載。
- ストリーム除菌は高圧洗浄で食器を除菌。
- 上段ラックは多機能ラックで様々な入れ方が可能。
- 外扉デザインはスタートボタンのみですっきり。
- 価格は高め。
エコナビ機能
パナソニック食洗機はセンサー付き。食器の量や汚れ具合に合わせて、勝手にエコモード洗浄をしてくれます。
もちろん手動でコース選択することも可能ですが、細かい設定不要でスタートボタンをポンと押すだけなので、ラクして光熱費が削減できます。(※洗剤自動投入タイプは洗剤の量も自動調整。)
3Dプラネットアームとプロペラのヒミツ
3Dプラネットアームは、上段へのお湯を噴射するノズルを低めに設定。邪魔になりません。低いけれど上に行くほど平がる様に噴射されるため、上の隅々にお湯がいきわたります。
さらに下段の洗浄は大きなプロペラの先に小さなプロペラ付きの2本仕立て。隅々まで洗えて洗い残しが格段に減りました。
ナノイーXとストリーム除菌
ナノイーXが搭載されているため、カビの元となる浮遊菌を抑制。発生を防ぎます。さらに高圧洗浄によるストリーム除菌で食器の除菌もしっかりしてれます。
多機能ラック
上段のラックは、さまざまな食器や平たい鍋にも対応できる多機能ラック。色々なパターに変更できます。
上段のラックが、半分にしたりスライドしたりできます。立てていると細かいコップなどがたくさん収納出来、全て寝かせると底の浅い大きなお鍋を置くことが出来ます。




操作ボタンが見えない
外から操作ボタン見えず、付いているのはスタートと一時停止ボタンのみ。


設定をする場合は、食洗機を引き出し上面手前で操作します。外からの見た目がすっきりしているのは、パナソニックのデザインへのこだわりを感じます。

機能が多い分、価格帯は他メーカーより高めです。

ビルトイン食洗機の評判は上々ですが、パナソニックとリンナイでの口コミの違いはどうでしょう。
どちらもスタンダードタイプは、さほど使い勝手や洗浄力は変わらないようです。スタンダードタイプに違いが無いのなら、価格の安いリンナイが良いかもしれませんね。
この項目では、特に違いの出る最上位機種、パナソニックのMシリーズ(ディープタイプ)とリンナイの重曹モード付(深型)とで比較してみました。
パナソニック食洗機の口コミ
パナソニックの最上位機種については、あまり悪い口コミは見つかりませんでした。
入れて良かった意見が多いですね。項目別に見て行きましょう。
デザイン | ボタンが、引き出した部分にあるのですっきり。 |
経済性 | 使用する水の量も少ないし、エコナビもついているので、経済的。 |
洗浄力 | きれいに洗えています。 |
収納力 | 食器を入れる部分がピンになっていて色々な角度で入れられる。大きなフライパンも入る。深型なので、食器を入れた上にボウルやざるも入れられてたくさん入る。 |
使いやすさ | ボタン操作も簡単で使いやすい。エコナビ機能はボタン一つで調整してくれる。 |
静音性 | 運転音はするが気にならない。 |
サイズ | 深型にしたところたくさん入り、便利になった。 |
総評 | 全体的には省エネモードで買ってよかった。 |
悪い口コミ | 汚れが落ちにくい!Vシリーズにして失敗!どうせなら上位機種にすれば良かった! |
前面に操作部分を付けずに、引き出したところの上面に操作ボタンを付けているので、見た目はスッキリ。中のカゴも、マルチピンでお椀もお皿も引っかけて入れやすいようになっています。
とくにエコナビ機能は節水になる上、余計な設定が要らないのでラクですね。運転音もと図書館レベルの大きさなので、さほど気にならないレベル。特にお鍋も入る深型を買った方は、正解という声が多いです。
リンナイ食洗機の口コミ
リンナイの食洗機はコスパの割に、洗浄力も申し分なくコチラも評判良いです。
デザイン | フロントオープンにしたところ、大変入れやすくたくさん入る |
経済性 | コスパがいい |
洗浄力 | 洗浄力は海外製と大差なく、満足。 |
収納力 | 内部のラックの融通が利かず、コップは上段にしか置けないのが残念 |
使いやすさ | フロントオープンがめちゃくちゃ使いやすい |
静音性 | 音が静かで便利に使えている |
サイズ | 大容量。深型にしたら、たくさん入るようになった。 |
総評 | 前の食洗機と比べると、進化した。包丁用のスペースがあったり、カゴは金属からプラスチックになって安全になった。カゴの網目も細かくなり、全体的に使い勝手が良くなっている。 |
悪い口コミ | 食器が入れにくい。それほど落ちていない。排気が熱い。 パナソニックから交換したところ、容量が小さく感じた。 |
リンナイは環境にも人にの優しい重曹コースがあるのが特徴。重曹は低温で洗えたりすすぎがカンタンで済むため、光熱費も節約できます。
リンナイの食洗機は、一部パナソニックよりも食器が入れにくい、という声がありました。ただし細かい機能にこだわらない方にとっては、リンナイの方が手価格なので助かりますね。

最後に、フロントオープンが近年復活し話題となっているので紹介します。フロントオープンはラックを引き出せるので、奥まで食器や鍋を出し入れしやすい特徴があります。
フロントオープンタイプの食洗機は昔は国内でも扱っていたのですが、ここ最近はスライドオープンが主流でした。
よってこれまでフロントオープンを入れたい方は、外国製の幅が60㎝の大容量タイプ(上から下まで食洗機で3段ラック等)を高額で入れる必要がありました。
しかし外国製のビルトイン食洗機は価格も高く、メンテナンスもまた時間がかかり高額に。最近は海外背でも幅45センチも出ておりますが、金額的に難しい場合も。
そこでリンナイで人気のフロントオープン。リンナイの評判が良かったからか、最近パナソニックからも発売されました。(配管の状態によっては入らない場合もあります。)
では早速、リンナイのフロントオープンタイプの評判を見てみましょう。
リンナイのフロントオープン食洗機の口コミ
- フロントオープンと決めていた。海外ものはもっと大きいのでもっと入るとはいえ、高額過ぎる。リンナイは値段も手ごろで故障のときも国内産だと安心。
- 大きいものが難なく入るので、洗い物の量や大きさを気にしなくて良くなった。
- 段違いに出し入れしやすい。
- たくさん詰め込んでいてもキレイに洗えるのはスゴイ。
フリンナイのフロントオープンは2段のカゴになります。

フロントオープンはラックが引き出せるため、奥まで入れられるし出し入れはとってもスムーズなんですよね。
外国製のビルトイン食洗機までの大きさは無いものの、このお値段でフロントオープンが入れられるので、評判も上々です。国産ならメンテナンスも安心ですね。
パナソニックのフロントオープン食洗機の口コミ
- ナノイーX送風で庫内のニオイを抑制・除菌してくれるのはさすがパナという感じ。
- 自動洗浄システムで週一程度のゴミ捨てでいいのは助かる。
- 外国製には無かった乾燥機能があるため、陶器以外の食器も乾ききらないことがない。
リンナイに続き、とうとうパナソニックも22年ぶりにフロントオープンの食洗機が発売されました。パナソニックは上段の小物を入れる浅いカゴも入れると、3段になります。

それぞれのメーカーの上位機種で、洗浄力や機能、書かうとランニングコストで比べてみました。
洗浄力と機能で比較
まずはパナソニックとリンナイのそれぞれの洗浄方法や機能、除菌方法で比較します。
洗浄方式 | 機能 | 除菌方法 | |
---|---|---|---|
リンナイ | 重曹洗浄機能を搭載 | マルチフック | プラズマクラスター |
パナソニック | 3Dプラネットアームがキメて | 多機能ラックあり マルチフック | ストリーム除菌 |
パナソニックはプロペラが2本と、中央には3Dプラネットアームを配し、隅々までくまなく洗えます。多機能ラックもあり、いろいろな食器やお鍋を入れやすくなっています。
それぞれに異なる除菌機能はついているものの、洗浄力では圧倒的にパナソニックに軍配が上がりました。
価格とランニングコストで比較
ビルトイン食洗機の費用は、工事費用込みで提供されることが多いので、この項目では本体価格込みの工事費用や、ランニングコストで比較してみましょう。
◆パナソニックとリンナイの価格とランニングコスト比較
交換工事費用 (本体込み) | 1回あたりの ランニングコスト | 1年間で 節約できる費用 | 10年間で 節約できる費用 | |
---|---|---|---|---|
パナソニックM9シリーズ (ディープタイプ) | 15~24万 | 29.7円 ※M9(ミドル)1回26.7円 | 約25,100円 | 約251,000円 |
リンナイ(深型) ~標準コース~ | 12~18万 | 27.6円 ※重曹コース27.3円 | 約24,700円 | 約247,000円 |
価格や費用で比較すると、圧倒的にリンナイの勝ちですね。

あなたはパナソニック派、リンナイ派、どちらでしょうか?
どちらに向いているかご提案します。
使いやすささや機能にこだわるならパナソニック
食器を入れやすい工夫と、操作面が引き出しの中の上面にあったりと、デザインにもこだわりが感じられます。
とくにエコナビ付きは、細かい設定をせずにエコモードで洗ってくれるので、省エネとラクさも追求しています。
色々気が利いた機能が欲しい人はパナソニックがおすすめです。
コスパでシンプル派ならリンナイ
重曹で食器を洗えるのはリンナイだけ。排気の湯気も洗剤臭さが無く、部屋への廃棄も安心です。人にも環境にもお財布にも優しいのリンナイですね。
細かい機能にこだわりが無いのなら、シンプルなリンナイがおすすめです。
入れやすい大容量ならフロントオープン
たくさん入るのが良い人は、フロントオープンはおすすめです。
入れやすさや大容量を求めているのなら、フロントオープンもありですね。
◆フロントオープンとスライドオープンのメリットデメリット
メリット | デメリット | |
---|---|---|
フロントオープン | たくさん入る。食器が入れやすい。 | しゃがんで入れるので腰に負担が来る。入れる順番を考えて居れる必要がある。水滴が床に垂れることがある。 |
スライドオープン | 立ったまま入れたり出したりできる。水滴が床に垂れない。 | そんなにたくさん入らない。ドアが重いと感じることがある。 |
ただし、入れ替えの場合は配管などの関係で工事が難しい場合もあるので、リフォーム屋さんに相談しましょう。
そもそも食洗機の入れ替えって簡単に出来るのでしょうか?次の項目で解説します。

国内産のビルトイン食洗機幅は45cmのものがほとんど。国内産での交換なら、メーカー違いの交換も可能です。
外国製のビルトイン食洗機は60センチ幅のフロントオープンのものが多く、大容量ため電源も100Vから200Vへの変更が必要になってきます。さらにフロントオープンの排水管位置が特殊なため、リフォームでは難しい場合も。
キッチンごとのリフォームのときに設置を検討すると良いでしょう。
スライドオープン⇒フロントオープンへの変更は排水管の位置確認が必要。キッチン古リフォーム時に検討しよう。
とはいえ、食洗機交換の費用は現状や大きさによって必要な工事が変わってくるので、費用も様々。金額がわからないことには検討しようがないですよね。
そんな時は、リフォーム屋さんに現場調査と見積もりを頼んでみましょう。今すぐ見積もり依頼して、工事金額を知りたい方は、工事内容に合わせたリフォーム屋さんをコンシェルジュが紹介してくれるリフォームガイドに聞いてみるのがおすすめ。
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数社見積もりを取れば相場もわかり、一石二鳥ですね。
ビルトイン食洗機はリンナイとパナソニックのどちらが良いのか?迷っている方のために、それぞれの特徴やコスト面で比較をしてみました。
それぞれのメーカーにおすすめの人はこんな人。
- 重曹モードで安全で経済的に洗いたい方
- コストを抑えたい方
- フロントオープンが好きな方(選択した場合)
- 機能重視の方
- 省エネモードで光熱費を減らしたい方
- カビや除菌が気になる方

あなたのライフスタイルに合った食洗機を取り入れて、快適なキッチンライフを手に入れて下さいね!
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