16畳のLDKってどんなレイアウトにしたらいいのかしら?ポイントがあったら知りたいわ。
16畳のリビングダイニングキッチン(LDK)は、マンションでも比較的多い間取りサイズ。特に新しい住まいに移り住むとなると、家具を新調したり家具の配置などにも悩みますよね。
どんな家具をどんなサイズで買おうか?配置はどうしよう?と悩みどころ満載です。あとでこのレイアウト使いにくい!となってもすぐに家具は買い換えられませんよね。
この記事では、16畳のLDKでのレイアウトポイントと実例をご紹介します。
【主婦インテリアコーディネーター】
《筆者はこんな人》
・家具フェアで家具のご案内
・レイアウトを考えるのが好き
《取得資格》
・インテリアコーディネーター
・カラーコーディネーター2級
・整理収納アドバイザー2級
16畳LDKの広さの目安
16畳のリビングというと、キッチンを含めたLDKの場合と、キッチンを含めないLDの場合があります。
LDKと考えた場合、マンションですとキッチンは3~3.5畳くらいが一般的な広さですので、リビングダイニングは約12~13畳くらい。戸建ての場合はキッチンは3~4.5畳くらいですので、LDは約11~13畳といったところでしょうか。
16畳LDKであれば、4人掛けのダイニングテーブルを無理なく置くことができ、ソファは2人掛けくらいが置ける広さで、2〜4人暮らしにちょうど良い広さです。
16畳LDであれば、キッチンの他にリビング・ダイニングだけで16畳あるため、4〜6人掛けのダイニングテーブルに2.5〜3人掛けのソファも置くことができます。
一般的な4人家族で考えた場合、リビング(LDK)は16〜20畳が平均的な広さとされています。よって16畳LDKとは、4人家族でダイニングテーブルやソファを置くことのできる、最低限必要な広さと言えるでしょう。
この記事では、キッチンを含めた16畳のLDKのレイアウトについて解説していこうとます。
生活動線を確保したレイアウトは?
LDKは、生活の中心となる空間。ここでは、家族が快適に過ごすための理想的な配置を提案します。
レイアウトは生活動線を確保しよう
生活動線とは、その家で暮らしている人が生活の中で通る道すじの事。家事は家事動線などと呼ばれたりします。生活動線を考慮したレイアウトは、日常生活を快適にします。
LDKのレイアウトを計画する際には、家族の移動がスムーズに行えるように配慮しましょう。
- キッチンからダイニングまでの距離を短くする
- ダイニングに座るときの椅子の引く幅を考慮してレイアウトする
- ダイニングに座った状態で後ろを人が通る必要がる場合はその分も考慮する
- リビングでテレビを観ている人の前を横切らないレイアウトを心がける
家具の選び方や配置は、すべてにおいて生活動線を重視し、無駄な移動を減らす工夫が必要です。その際キッチンからダイニングまでの距離を短くすると、食事の準備や片付けが効率的に行えます。
LDKのレイアウトを計画する際は、日常生活の流れをイメージしながら生活動線を確保し、それぞれの家具アイテムの配置を決めることがポイントです。
生活動線を確保して家具を配置する
16畳LDKは動線スペースをしっかりとってレイアウトしよう
16畳のリビングでは、家具を置くと結構いっぱいになりがちな広さ。生活動線をイメージしながら、人が通る場所や幅を考えて家具のサイズやレイアウトをしっかり検討しましょう。
人一人が通るためのスペースとしては、60cmが一般的に必要な幅となります。
縦長、横長、またはダイニングテーブルをキッチンに対して垂直なのか平行なのか。パターンによって確保するスペースは異なります。
例えば、ダイニングスペースであれば食事の際に、椅子を引いて座るスペース(約60cm)を確保する事。食事をしている人の後ろを誰かが通るようなレイアウトであれば、椅子に座った状態(約40cm)にプラスして、後方に人が通るスペース(約60cm)のスペースを確保します。
- 椅子を引いて座るスペースは約60cm必要
- 椅子に座ったときの奥行きは約40cm必要
- イスに座った後ろを人が通るときは約40cm+60cm⇨100cm必要
特にリビングエリアは家族が集まる場所なので、出来るだけ各エリアからアクセスしやすいように配置することが重要です。
対面キッチンを中心にリビングとダイニングを統一感ある空間に
マンションや最近の住宅で多いのが対面キッチン。対面キッチンは、料理をしながら家族や来客と会話を楽しめるメリットがあります。
16畳リビングでは、キッチンから眺めるリビングとダイニングを一体化した空間にデザインすることで、家族のコミュニケーションが広がり、空間がまとまって見えます。
家具のデザインを同じカラーやテイストで選ぶことで空間にまとまりが生まれます。また開放感を持たせるための工夫としては、低めのソファや透明感のあるテーブルを選ぶことで抜け感が出ます。
家具も自然光を遮らないように配置することで、部屋の隅々まで光が届くレイアウトにすることが出来ます。
- LDKを一つのまとまりある空間として統一感をもたせる
- 低めのソファや透明感あるテーブルなどで広さや明るさを確保する
16畳LDKのレイアウト:4人家族向け
4人家族が快適に暮らすための16畳LDKのレイアウトは、家族がそれぞれの活動を楽しみながらも家族でコミュニケーションを取れるよう、開放感がありながらもまとまり感のある空間に仕上げることが理想です。
この項目では、家族4人で暮らす16畳LDKでのレイアウトポイントについて解説します。
家族4人が快適に過ごせる16畳LDKのレイアウト
16畳のLDKでは、ダイニングエリアには4人が座れるサイズのテーブルを配置し、リビングエリアにはくつろげる大きなソファを置きましょう。
ダイニングスペースをテレワークやお子さんの学習コーナーとして兼用する場合は、ダイニングテーブルを大きく広めのものを選び、ダイニング照明を電球色~昼白色まで変えられる調色タイプの照明を選んでシーンで切り替えると良いでしょう。
また、テレワークや子どもたちが宿題をしたり読書を楽しんだりできるように、隣の洋室にワークスペースや学習スペースを設けるレイアウトもおすすめです。
リビング空間を広くとるのであればダイニングスペースはコンパクトに。ダイニング空間を中心にするのであれば、リビングのソファをコンパクトにまとめるのが、16畳LDKのスペースを無理なくレイアウトするコツです。
16畳リビングで選ぶべきソファとダイニングテーブル
16畳のLDKでは、レイアウトだけでなくソファとテーブルの選び方が空間の快適さを大きく左右します。
ソファはリビングのメインとなる家具であるため、家族が一緒にくつろげる十分な大きさを選ぶことが重要です。
コンパクトにする場合は2.5人掛け(幅約1400)、広めにとる場合は3人掛け(約1600~1800)を選ぶと良いでしょう。
リビングを中心とするレイアウトなら、オットマンを組み合わせて寝転んだり、来客時にはイスとして対応できるようにするもの一案です。
またダイニングテーブルは4人掛けを充分置ける広さです。とはいえ、大きめのソファを置いた場合は、小さめのテーブル(800×1200など)にしてコンパクトに。小さめのソファを置いた場合は、大きめのテーブル(900×1400~1600など)を選ぶと良いでしょう。
ダイニングテーブルはダイニングエリアの中心となるため、家族全員が座れ、さらに来客時にも対応できるサイズがあるとなおよいでしょう。
そのためには、ダイニングテーブルを人数が増えた時だけ広げることが出来るエクステンションテーブルにしたり、スツールやスタッキングチェア(重ねられるイス)を取り入れるなどの工夫もおすすめです。
【16畳LDK】パターン別の特徴
16畳LDKと一口に言っても、部屋の形によってレイアウト方法は異なります。部屋の形は縦長、横長、正方形などが代表的な例です。
この項目では、それぞれのパターン別に特徴やそのメリット・デメリットを紹介します。
16畳縦長リビングの特徴とメリット・デメリット
16畳の縦長LDKは、キッチン、ダイニング、リビングが直線状に伸びるスタイル。リビングがバルコニーに面していて、その奥にダイニング、キッチンが縦に並んでいるタイプが一般的です。
縦長リビングの最大の特徴は、長手が壁になる点。ひとつながりの空間を見渡しやすく、キッチンからはダイニング、リビングまでの空間が一望でき、その先には窓の外まで視界が広がる奥行き感のあるレイアウトです。
子育て中から、そろそろお子さんが独立する家族まで、ライフスタイルの変化に対応しやすい人気のレイアウトです。
では縦長リビングのメリット・デメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
- 部屋に奥行きがある分、幅が広い家具を置きやすい
- 壁面にドアを設置して、隣接する個室を配置しやすい
- 視界に広がりがあり、LDK全体に目が届きやすい
縦長リビングのメリットは何といってもその壁の長さ。家具の配置がしやすく、全体を見渡しやすいのもメリットです。
また、隣接する部屋をリビングと繋げられる(ウォールドアなどで)レイアウトの場合は、ひとつながりにすることでリビングの一部として広く使うことも出来ます。
- 奥行があるため、奥に配置されたダイニングやキッチンは採光が難しい
- 意識しないと空間が区切りにくい
壁面が広いため家具を配置しやすい一方で、マンションだと窓から遠くなるダイニングやキッチンが暗くなります。また、細長く空間がつながっているため、工夫しないと間延びした空間となってしまう場合もあるでしょう。
16畳横長リビングのレイアウト
16畳の横長リビングとは、ベランダやバルコニーに面してリビングとダイニングが横並びに配置されているタイプのリビング。キッチンとダイニングとリビングがL字になっている間取りが一般的です。
横長リビングの最大の特徴は、窓が大きく開放感があること。マンションの場合、リビングとダイニングの両方の空間が大きな掃き出し窓に面していることが多く、明るく広々とした印象のレイアウトです。
横長リビングは、内側に引き戸やふすまで仕切られた居室が隣接しているのが特徴。隣接する部屋が和室の場合は、中和室、洋室の場合は中洋室などと呼ばれています。
では横長リビングのメリット・デメリットを見てみましょう。
- リビング窓が大きく、外のバルコニーに家具を置いてアウトドアリビングとして使える
- 大きな窓からは自然光がたっぷり入り、LDK全体が明るい
- ダイニングスペースとリビングスペースを左右で分けやすいので、生活にメリハリが生まれる
- 家具が配置しづらい
- 通気性が悪くなりやすい
- レイアウトによっては導線が難しい
- 隣接する中洋(和)室に採光が取れず暗い場合が多い
- 間取りサイズや窓の配置によっては奥まで全体を見渡せない
横長リビングはバルコニーや庭の窓側に長手の壁が来ることが多く、家具の置き場無いという問題があります。
テレビを壁側に置いてソファをダイニングの仕切りとしてしまうと、リビングに入った正面にソファが来てしまうことも。生活動線を確保しようと思うと、家具の配置が難しく感じてしまうかもしれません。
またマンションですと、奥になってしまう部屋が窓の無い部屋になることも多く、暗くなってしまいます。横長ですとリビングダイニングの全体を見渡しにくいことも挙げられます。
16畳正方形リビングのレイアウト
16畳の正方形リビングは、壁の長さがタテもヨコもほぼ同じ長さのタイプ。他とは違うレイアウトが楽しめるスタイルです。
正方形リビングの最大の特徴は、その空間のまとまり感。どこの位置にいてもリビングダイニングを見渡せる安心感です。四方壁に囲まれているため、大きな家具を置いても余裕があるレイアウトにすることも可能です。
ではメリットデメリットを見てみましょう。
- 間口が広く、明るく開放的な印象のリビングが多い
- 横長リビングに比べると壁が多く、家具を配置しやすい
- ソファダイニングにすると空間に余裕が生まれる
正方形のリビングは、工夫次第では真ん中に広いスペースを確保することが出来ます。特にリビングとダイニングを一体化させたソファダイニングにすることで、正方形リビングの特徴を最大限に生かせます。
- ダイニングとリビングを並べにくい
- 食事とくつろぎスペースを区切りにくい
- 窓面積が小さくなりなりがち
- リビングダイニングを別に取ろうとすると、余白が足りない
しかし反面、正方形リビングでリビングとダイニングの空間を分けようとすると難しくなります。また、壁面が短い分窓も小さくなりがち。
空間にまとまりはあるものの、リビングとダイニングを別に設定しようとすると余白が取りにくい点が難点です。
16畳LDKのレイアウト実例
16畳リビングダイニングキッチンのレイアウト例を見てみましょう。今項目では、マンションに多い16畳LDKを例にとって紹介します。
マンションのキッチンは3畳~4畳くらいの広さが一般的。16畳LDKからキッチンスペースを差し引くと、LDは約12畳~13畳広さです。
この項目では、16畳のLDKレイアウト実例を解説します。
コチラの縦長リビングは、壁側にソファを置いているため落ち着き感があります。ダイニング側のソファ方向をベンチタイプにすることで、リビング空間とのつながり感があり広く感じます。
隣の洋室との区切りにTVボードを置くとダイニングでもTVを観ることができ、隣の洋室の突き当り側にTVボードを置いて完全にリビングの一部として繋げてを使うこともできるレイアウトです。
コチラの16畳タテ型リビングは、キッチンカウンターに平行にダイニングテーブルを置いた例です。壁側にベンチを置くことで人数が増えた時にも対応できる、ダイニングスペースにゆとりを持たせたレイアウトです。
反対にリビング側のソファはコンパクトサイズにまとめています。ソファの正面にTVボードを置いても、ダイニングのベンチで食事後にTVを観ることもできる、家族みんながくつろげるレイアウトです。
次に16畳横長リビング(LDK)です。ダイニングテーブルを対面キッチンに対して垂直に置き、バルコニーと反対側にソファを置いた例です。
ダイニングとリビングの間に一切家具を配置せず、TVボードを壁面に配置して収納も取ることで、リビング空間を広く使うことが出来ます。リビングでくつろぎながらもダイニングでお食事や宿題をする家族と会話がしやすく、外の景色を眺めることもできる、横長リビングならではの開放感が感じられるレイアウトです。
正方形リビングの良さを生かした例です。キッチンカウンターをダイニングとして使用し、リビング空間と一体化してくつろぎのスペースとした例です。
食事の時間がズレることが多い家族や2人暮らしなら、無駄な空間が無くかえって使いやすいレイアウトでしょう。
ダイニングスペースをコンパクトにして壁にピッタリと寄せて、ソファと対角線上置くことでバランが取れています。床と家具をホワイト系でまとめることで、正方形の形を生かした一体感のあるレイアウトになっています。
16畳LDKレイアウトのポイントまとめ
- 壁側に収納家具をまとめて配置し、大きな家具を間に置かない。
- TVの置く位置が居室側のときはシンプルなTVボードで、壁側なら収納力のあるTVボードで物をまとめる。
- 対面キッチンに対しては垂直にテーブルを置くことで空間に無駄が出来にくい。
縦長リビングレイアウトのポイントは、視線を遮るようなを大きな家具で真ん中を遮らないこと。収納は壁側にまとめてしまい、洗面所からベランダまでの通り道(動線)を確保することが、レイアウト成功のポイントです。
16畳なら4人掛けのテーブルを置ける広さですが、3人掛けのソファを置きたい場合はリビングの広さの確保も必要。対面キッチンカウンターに垂直にテーブルを付けるなどして、ダイニング空間をコンパクトにすると良いでしょう。
- ダイニングテーブルは対面キッチンと並行して置くことでリビングとの行き来をスムーズにする。
- ソファの背もたれは低めか背もたれ無しもので圧迫感を与えない。
- 収納は短い壁のどちらかにまとめる。
横長LDKのレイアウトは、ダイニングテーブルをキッチンに並行に置き、ダイニングとリビングの行き来をしやすくするのがポイントです。
また、ソファについては背もたれが低いものか背もたれの無いもの、大きすぎないもの選んで圧迫感を無くすものポイント。そうしておけば、ソファをリビングとダイニングの仕切りに置く場合も圧迫感無く、窓側に置く場合も窓からの採光が採れます。
- ソファとダイニングセットのサイズバランスに気を付ける
- ソファとダイニングを一体にしたソファダイニングもあり
正方形リビングでは、ソファとダイニングテーブルのサイズバランスがポイントとなります。二つの空間を続けておくことは難しいため、いっそのことリビングとダイニングを併用すると空間にゆとりが生まれます。
和風であればダイニングとリビングを床座スタイルに、洋風であれば「ソファダイニング」というスタイルがおすすめです。
※ソファダイニングについてはコチラの記事で詳しく解説しています。
ソファダイニングで後悔しないために:スペースに最適なダイニングセットの選び方以上、縦長、横長、正方形などリビングのパターン別にレイアウトポイントをまとめてみました。
16畳LDKのレイアウト
16畳のLDKは、4人掛けテーブルを無理なく置くことができ、ソファも置くことができる2〜4人暮らしにちょうど良い広さです。
とはいえあまりも大きなダイニングセットと大きなソファを置くことは出来ないので、家具を壁側に寄せたり、背もたれの低いソファを置くなど空間を広く見せる工夫も大切です。
またリビングとダイニング空間のどちらの広さを優先するかを決めて、片方をコンパクトにする方法もあります。
部屋の形によっては「ソファダイニング」を採用するのもおすすめですよ。肝心なのは、生活動線をしっかり確保することです。
新しい生活をイメージしながら、動線をしっかり確保してレイアウトを決めてください。