この記事では、「子育てエコホーム支援事業」の補助対象となるリフォーム工事の具体的な内容や、それぞれの補助金額を詳しく解説します。
若者夫婦や子育て世帯への、省エネを目指した家への補助金である「子育てエコホーム支援事業」。
新築注文住宅や新築分譲住宅においては、若者夫婦世帯と子育て世帯に特化した補助金ですが、リフォームに関しては、補助金額最大20万として全世帯が対象となっています。
対象となるリフォーム箇所はたくさんあり、補助金額もそれぞれ異なるため、詳しく解説します。
もしもお風呂やキッチンなどの水回りのリフォームを考えているなら、今一度条件に当てはまるかチェックしてみましょう。
しかし細かい条件がたくさんある為、最終的な判断はリフォーム業者さんにお願いするのが確実です。
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リフォームの対象工事はいろいろ。
- お風呂:高断熱風呂、節湯水栓、浴室乾燥機
- トイレ:節水トイレ
- キッチン:壁付けから対面キッチンへの改装、ビルトイン食洗機、レンジフード、ビルトインIH、ビルトインガスコンロ
- バリアフリーへの改装:段差改修、廊下幅の拡張、出入り口の幅の拡張
- 開口部の改修:窓ガラスの断熱性アップ、窓交換、内窓の設置、玄関ドアの交換
- 宅配ボックスの設置
- 外壁、屋根、床の断熱性アップへの改修
などなど。様々条件があるものの、こういった工事が対象となっています。
しかし補助額の合計が5万円以上無いとそもそも申請が出来ないので、いくつかのリフォーム工事を合わせて申請するひつようがあります。
補助金の合計額が5万円以上で申請可能
補助金の上限額は一つの世帯で20万円までと決まっています。
しかし「若者夫婦世帯」や「子育て世帯」の方、「長期優良住宅」の方などは、30万、45万、60万円までと上限の引き上げをすることが出来ます。
※リフォームの上限引き上げについて詳しくはコチラの記事で解説。
【子育てエコホーム支援事業2024】対象になるのは若者夫婦と子育て世帯だけ?新築だけ?リフォームも対象なの?では早速、対象になるリフォーム工事の具体的な例や、工事個所ごとの補助金額について詳しく解説していきます。
- 開口部の断熱改修(窓・玄関等)
- 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
- エコ住宅設備の設置
リフォームで補助金の申請をするには、上記の3つの工事のうち必ず1種類はリフォームする必要があります。
窓や玄関ドアの断熱性アップへの改修、外壁や屋根、天井などの断熱性アップへの改修、エコ住宅設備の設置などです。
1つずつ詳しく解説します。
事務局に登録された型番の製品を使用した工事のみを対象としています。
ガラス交換※2 | 既存窓を利用して、複層ガラス等に交換するもの※3 |
内窓設置 | ・既存窓の内側に、新たに窓を新設するもの ・既存の内窓を取り除き、新たな内窓に交換するもの ※ただし、外皮部分に位置する既存外窓(ドア)の開口面から屋内側へ50cm以内に平行に設置するものに限る。 |
外窓交換 | ・既存窓を取り除き、新たな窓に交換するもの ・新たに窓を設置するもの ※工法は問いません。 |
ドア交換 | ・既存のドアを取り除き、新たなドアに交換するもの ・新たにドアを設置するもの |
※2障子枠(ガラス+フレーム)のみを交換し、枠を交換しない、または新たに設置しない場合には、ガラス交換として取扱います。
※3ドアに付いているガラスのみ交換の改修は対象外。
窓ガラスについては、熱還流率などのガラス性能によって「省エネ基準レベル」と「ZEHレベル」とで区分されます。
そのうえで大・中・小という大きさによって、それぞれ補助金額が設定されています。
ガラス交換 | 内窓設置・外窓交換 | ドア交換 | |
---|---|---|---|
省エネ基準レベル | ・大:11,000円 ・中:8,000円 ・小:3,000円 | ・大:25,000円 ・中:20,000円 ・小:17,000円 | ・大:37,000円 ・小:32,000円 |
ZEHレベル | ・大:14,000円 ・中:10,000円 ・小:4,000円 | ・大:34,000円 ・中:27,000円 ・小:22,000円 | ・大:49,000円 ・小:43,000円 |
金額の範囲を表にしてみました。大体の金額のイメージはできるのではないかと思います。
※窓や玄関ドアについては、素の断熱率がより高い場合は「先進的窓リノベ」の方で補助金申請をした方が、金額が高い場合があります。「先進的窓リノベ」の補助金について詳しくはコチラの記事で紹介。
【対象となる断熱改修のチェック項目】
- JIS基準を満たす断熱材を使用すること
- 断熱材の使用量が一定以上あること
- 断熱材の使用量(省エネレベル、ZEHレベル)で補助金額が異なる
外壁や屋根、天井、床に関しては、原則としてJISの定めた熱伝導率やノンフロン製品など、厳しい基準が設定されてます。
さらに一定の使用量以上の断熱材(省エネ基準レベル、ZEHレベル)を施工する断熱改修が対象で、その断熱材の使用量によって補助金額が異なります。
断熱材の使用量は大きく分けて「省エネレベル」と「ZEHレベル」と2種類あります。省エネレベルなのかZEHレベルなのかは、断熱材の使用量によってレベル分けされ、それによって補助金額が異なります。
1戸当たりの補助額 | |
---|---|
省エネ基準レベル | ・外壁:112,000円(部分断熱:56,000円) ・屋根・天井:40,000円(部分断熱:20,000円) ・床:72,000円(部分断熱:36,000円) |
ZEHレベル | ・外壁:151,000円(部分断熱:75,000円) ・屋根・天井:54,000円(部分断熱:27,000円) ・床:96,000円(部分断熱:48,000円) |
補助金額は断熱材の熱伝導率や使用量によって、細かく設定されています。
※外皮(外に接する壁や天井)の改修だけで申請するのか、外皮に値しない中の部分(間仕切り壁や2階の床など)も含む「部分断熱」の申請なのかで、補助金額が異なります。
太陽熱利用システム、高断熱浴槽、高効率給湯器、蓄電池、節水型トイレ、節湯水栓など、エコ住宅に向けた改修に対しても補助金が支給されます。
エコ住宅設備の種類 | 補助額 |
---|---|
太陽熱利用システム | 30,000円/戸 |
高断熱浴槽 | 30,000円/戸 |
高効率給湯器 | 30,000円/戸 |
蓄電池 | 64,000円/戸 |
節水型トイレ | ・掃除しやすい機能を有するもの以外:20,000円/台 ・掃除しやすい機能を有するもの:22,000円/台 |
節湯水栓 | 5,000円/台 |
必須工事については、以上の3種類のリフォーム工事のいずれかをするのであれば、補助金申請の資格があります。
ただし、補助金の合計額が5万以上でなければそもそも申請できません。
これから紹介するリフォームも合算して5万以上になれば、同時に申請することが出来ますよ。
- 子育て対応改修
(家事負担軽減の工事・防犯性向上の工事・生活騒音対策の工事・対面キッチン化の工事) - 防災性向上改修
- バリアフリー改修
- 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
- リフォーム瑕疵(かし)保険等への加入
これらのリフォーム工事も、必須工事と一緒に任意で申請することが出来ます。
必須工事と合わせてこれらの任意工事との合算で、補助金の合計が5万円以上であれば申請できるわけですね。
子育て改修は「家事負担の軽減に資する設備を設置する工事」、「防犯性の向上に資する開口部の改修工事」、「生活騒音への配慮に資する開口部の改修工事」などがこれにあたり、様々なリフォーム工事がその対象となっています。
※「防犯性の向上に資する開口部の改修工事」、「生活騒音への配慮に資する開口部の改修工事」について、リフォーム工事を行う窓の性能によっては、「先進的窓リノベ2024事業」においてより高い補助を受けられる場合があります。
対象工事の種類 | 補助額 |
---|---|
ビルトイン食器洗機 | 21,000円/戸 |
掃除しやすいレンジフード | 13,000円/戸※1 |
ビルトイン自動調理対応コンロ | 14,000円/戸※1 |
浴室乾燥機 | 23,000円/戸 |
宅配ボックス | ・住戸専用の場合:11,000円/戸 ※共同住宅においては、単数のボックスなど当該住戸用に独立して設置された宅配ボックスに限ります。 ・共用の場合:11,000円/ボックス ※例;1つの宅配ボックスに4つのボックスが設置されている場合は44,000円となります。 |
キッチンセットの交換を伴う対面化改修 | 90,000円/戸※2 |
防犯性の向上に資する開口部の改修 | ・外窓交換(大:37,000円/中:26,000円/小:22,000円) ・ドア交換(大:54,000円/小:38,000円) |
生活騒音への配慮に資する開口部の改修 | ・ガラス交換(3,000円~11,000円) ・内窓設置・外窓交換(17,000円~25,000円) ・ドア交換:(小32,000円/大:37,000円) |
※1:「キッチンセットの交換を伴う対面化改修」で補助金が交付される場合、本項目は補助の対象となりません。
※2:本項目で補助金が交付される場合、「掃除しやすいレンジフード」または「ビルトイン自動調理対応コンロ」について補助を受けることはできません
それぞれの設備は、登録されている商品を利用した場合のみ補助対象となる為で、必ず対象の製品※かどうかをリフォーム業者さんに確認してもらいましょう。
※対象商品かどうかを「子育てエコホーム支援事業」のサイトで品番確認する方はコチラ。
ガラス交換 | 外窓交換 |
---|---|
大:17,000円/枚 | 大:41,000円/箇所 |
中:12,000円/枚 | 中:27,000円/箇所 |
小:7,000円/枚 | 小:16,000円/箇所 |
窓においては防災性の向上として、ガラス交換や外窓交換に1箇所あたりの補助額 × 施工箇所数 を補助額とします。
※「開口部の断熱改修」、「防犯性の向上に資する開口部の改修」または「防災性の向上に資する開口部の改修」に重複して性能を満たしている場合であっても補助額は重複して計上できません。
※リフォーム工事を行う窓の性能によっては、「先進的窓リノベ2024事業」においてより高い補助を受けられる場合があります。
対象⼯事 | 補助額 |
---|---|
手すりの設置 | 5,000円/戸 |
段差解消 | 7,000円/戸 |
廊下幅等の拡張 | 28,000円/戸 |
衝撃緩和畳の設置 | 20,000円/戸 |
※「衝撃緩和畳の設置」については、事務局に登録された型番の製品を使用した工事のみが対象。
※衝撃緩和の対象商品を「子育てエコホーム支援事業」のサイトで確認する方はコチラ。
手すりの設置や段差解消など、バリアフリーへの改修に対しての補助金です。
該当する試験機関等で効果が確認された空気清浄機能を有するエアコン、または換気機構を有するエアコンを補助対象としています。
補助金額の違いは、冷房能力に応じた補助額×設置台数の合計を補助額としています。
エアコンの冷房能力 | 補助額 |
---|---|
3.6kW 以上 | 26,000円/台 |
2.2kW超〜3.6kW未満 | 23,000円/台 |
2.2kW 以下 | 19,000円/台 |
国土交通大臣が指定する住宅瑕疵担保責任保険法人が取り扱うリフォーム瑕疵保険および大規模修繕工事瑕疵保険への加入を対象として、補助金が交付されます。
対象となる保険 | 補助額 |
---|---|
リフォーム瑕疵保険 大規模修繕工事瑕疵保険 | 7,000円 |
※加入する保険についての詳細は、「住宅瑕疵担保責任保険法人」に問い合わせましょう。
以上の5種類の条件が、必須条件のリフォームに加えて、同時に申請できるものになります。
これらのリフォーム工事や条件の補助額の合計が5万円になるようなら、補助金の申請が出来るということですね!
補助金の対象となるリフォーム工事と、補助金額について、詳しく解説しました。
必須工事と任意の工事と合わせて5万円以上の補助金額になれば、補助金の申請が出来るということがわかりましたね。
ただし同じ個所を違う項目で重ねては申請できないので、どちらで申請するかは業者の方の判断にお任せしましょう。
より高い断熱性能の窓や高効率の給湯器の場合は、窓や給湯器を他の事業※で申請する方が補助金が高い場合もあります。
そのあたりも含めてリフォーム業者さんに相談できると良いですね。
※他の事業とは?:「先進的窓リノベ2024事業」や「給湯省エネ2024事業」のことです。
補助金は、申請も受け取りも、リフォーム業者の方が代行して行います。審査の基準もとても細かく一般の方にはとてもわかりづらいため、全て業者の方にお任せするとよいですよ。
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とっても面倒な手続きですので、手数料などの話し合いを前もってしておき、お互いに気持ち良く取引できるようにましょうね。
※取り決めを行う際に、お互いに協力して補助申請の手続きを行いましょう、という契約をします。
これを「共同事業実施規約書」という書類で約束を取り交わします。※必要書類について詳しくはコチラの記事で紹介しています⇩
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